このほくろは絶対美織で間違いない。
 私が美織を見間違えるはずがない。


「しえるがいうんだから、そうなんだろうな」


 蒼真くんがいった。


「待って、じゃあ美織は……変装して自分から出て行ったってこと?」

「そういうことになるね」

「どうして!?」

「誰かに脅されたんじゃないかな」


 廉くんが険しい表情でいった。


「たとえばトイレの中で脅迫するメールが届いて、やむなく変装して出ていくしかなかったとか」

「あり得るな」


 蒼真くんもうなずく。


「更に隼人の気をそらし、気づかれないようにしているところも作為的だ」

「クソッ! 俺は騙されたのか!」


 隼人くんは悔しそうに頭を掻きむしる。


「ごめん、みんな。俺のせいだ」

「隼人のせいじゃない。悪いのはすべて脅迫犯だ」


 蒼真くんの言う通りだ。
 どうしてそこまでして美織のことを狙うの?

 絶対に許さない……!


「みんな〜、みおりんの居場所わかったよ〜」


 PCをいじりながら理央くんがいう。


「みおりんのスマホのGPSからわかった。ここ、メテオプロダクションだね」

「メテオプロダクション?」


 私が聞くと、廉くんが説明してくれた。


「老舗の芸能事務所だよ。ミルキーウェイプロダクションと同じくらい大手事務所なんだ」