しえるは真っ直ぐ俺を見つめてほほ笑む。
「蒼真くんは夢を叶えたんだね。すごいなぁ」
「いや、まだまだだ」
アイドルとして成し遂げたいことは山ほどある。
もっと大きな会場でライブをできるようになりたいし、もっとたくさんのファンに俺たちの音楽を届けたいと思う。
ファンじゃない人たちにも聞いてもらって、俺たちの音楽を好きになって欲しいと思う。
「もっともっとたくさんの人を笑顔にできるアイドルになりたいんだ」
そういってから、ハッとした。
ガラにもなく語ってしまった。
こんなことメンバーにも話したことがないのに、何故かしえるには話しやすくてポロッと言ってしまった。
しえるはポカンとしながら真顔で見つめている。
「……らしくなかったな。忘れてくれ」
「忘れられないよ。だって今、ものすごく感動してるんだもん」
「感動?」
驚いて聞き返す。
「こんな風に思われて、蒼真くんのファンは幸せだね」
その笑顔に思わずドキッとした。
「普通科にいた頃の友達はみんなStergazeのファンだったの。みんなすごく嬉しそうにStergazeの話をするんだよ。好きな人のこと考えてる時って笑顔になっちゃうよね」
「……しえるは?」



