「えへへ、そういえばそうだったね」
しえるは照れくさそうに笑みを浮かべる。
「じゃあ、蒼真くんはどうしてアイドルになったの?」
「それは……」
それを聞かれるとは思わなかったので、一瞬ためらってしまった。
「あ、アイドルになったのもスカウトされたから? 蒼真くんくらいイケメンだったらアイドルにスカウトされてもおかしくないよね」
「いや、アイドルになろうと思ったのは自分からだ」
「そうなの?」
「俺はアイドルに憧れていたから」
この話はメンバーにも話したことがないが、俺の母親はアイドルが大好きだった。
物心ついた頃から色んなアイドルが出演している歌番組を見せられたり、一緒にコンサートにも行ったことがある。
ステージの上で歌って踊るアイドルたちは、いつも輝いていてまぶしかった。
「母がよく言っていたんだ。アイドルは人を笑顔にする存在だって」
彼らがいるだけで笑顔になる。
歌やダンスを見ているだけで元気がもらえる。
こんな風に人を幸せにできるアイドルという存在に憧れた。
「だから俺も誰かを笑顔にするアイドルになりたいと思った」
「素敵だね」



