しえるは納得していないのかそもそも理解していないのか、難しい表情を浮かべていた。
「とにかく、この前みたいに閉じ込められて妨害されるなんてことが起こる。そういった妨害に対抗したり、未然に防ぐために理事長がスパイチームをつくったんだ」
「それがStergazeってこと?」
「俺たちはスパイチームの一つって感じだな。理事長曰く他にもスパイチームがいるらしいけど、どのグループがスパイなのかは俺たちも知らない」
「蒼真くんたちも?」
「スパイとはそういうものだ」
スパイというのは自分がスパイだとバレてはいけない。
だからコードネームがあるし、同じ事務所といえどスパイだと知られてはいけないんだ。
「俺たちはそれぞれスパイ適正があると見なされて結成された。だからまあ、スカウトされたみたいなものだな」
「スパイにスカウトって、すごいなぁ」
「スカウトされたのはしえるも同じだろ」
他でもない、しえるはハッカーの腕前も見込んで俺がスカウトしたんだからな。



