「しえるが仲間になってくれてよかった」


 スピカというハッカーが仲間に加わってくれたら、戦力アップにつながると思った。
 だがそれ以上に、しえるという女の子に出会えたことが良かった。


「これからも期待してる」

「っ、うん! 頑張るね!」


 俺もまだまだ負けてられないな。
 この小説の続きも気になるが、無事にミッションが終わった後のご褒美に取っておこう。

 Stergazeのリーダーとしてやるべきことは、まだまだたくさんある。


「蒼真くんも調べ物?」

「いや、俺はリフレッシュの読書をしていたんだ」

「リフレッシュの読書?」

「疲れた時や一人になりたい時、ここで静かに小説を読むのが好きなんだ」

「そうだったんだ……! ごめんね、邪魔しちゃって」

「いや大丈夫だ。しえるにいい刺激をもらえたからな」


 読んでいた小説を棚に戻す。


「いいの? 蒼真くん忙しいんだし、休むことも大事なんじゃない?」

「これはミッションが完了した後にゆっくり読むことにするよ。それよりも暗号の本、俺にも見せてくれないか」


 実はさっきからとても気になっている。