「色々気になることもあるが、今は収録に集中だ。最高のパフォーマンスを届けるぞ」

「おうっ!」


 蒼真くんの言葉で一気に引き締まる。
 やっぱりこういう時、さすがはリーダーだなぁ。


「それからしえる、誰が一番カッコよかったかじっくり見るんだぞ」

「えっ!?」


 あれ、あの勝負って本気でやるの!?


「――まあ、きっと俺から目が離せなくなるだろうけどな」

「……っ!」


 強気な言葉にウインクというサービスまで!
 もしファンが見ていたら卒倒している……!


「蒼真くんばっかいいカッコさせないからね〜。ボクだって本気出しちゃうから」

「お、俺だって! アイドルらしいところ見せちゃうからな!」

「みんなやる気満々だね。もちろん僕も負けるつもりはないから、覚悟していてねしえるちゃん」

「ふええ……」


 先ほどまでのハプニングなんてなかったかのように、完璧すぎるパフォーマンスをしてクラクラしてしまいそうだった。

 その場にいるだけで華があって、歌声にもダンスにも魅了されて。
 みんなカッコ良すぎて誰が一番だなんて選べない!

 そういったら全員に不満そうな顔をされてしまった。