「開いた!」

「すげえ! めちゃくちゃ早えじゃん!」


 隼人くんはやや興奮気味だった。


「でかした、スピカ。Aスタジオに急ぐぞ!」


 蒼真くんの声で全員で急いでAスタジオに向かう。
 何とか収録時間に間に合ってAスタジオに到着することができた。

 スマホを握りしめた白鳥さんがすぐに駆け寄ってきてくれた。


「みんな! 無事だったんだね」

「白鳥さん、お待たせしました」

「閉じ込められたと聞いた時は焦ったよ」

「Stergazeさん、スタンバイお願いします!」


 ちょうど呼ばれたところだった。
 ギリギリのところで間に合って本当によかった。


「ありがとう。しえるのおかげだ」


 蒼真くんは優しくほほ笑む。


「本当に。ありがとう、しえるちゃん」

「さすがだったよね〜」

「めっちゃカッコよかったぜ!」

「みんな……」


 私は思わずジーンとしてしまった。
 みんなの役に立てて感謝してもらえたことがとても嬉しい。

 ハッキングしか取り柄のない私だけど、ハッキングでみんなを助けられて本当によかった!