こうやって衣装をまとうとキラキラのアイドルそのもので、私みたいな平凡な一般人が一緒にいるのが不思議で仕方ない。
――って、そんなこと言ってる場合じゃなかった。
大事なことを伝えなきゃ!
「あのね、収録するスタジオが変更になったんだって」
「スタジオが変更に?」
蒼真くんがたずねる。
「うん、AスタジオからCスタジオに変わったみたいだよ」
「Cスタジオってどこにあるんだ?」
「それはね……」
隼人くんに聞かれてハッとする。
そういえば、スタジオの場所聞いてないじゃない!
「ど、どうしよう! 場所聞き忘れちゃった!」
「えぇーーっ!」
「ごめんなさい……!」
私のバカ! 何してるの!
マネージャー失格だよ。遅れちゃったらどうしよう?
「すぐに場所聞いてくるね!」
「待って、しえるちゃん」
駆け出そうとする私を廉くんが引き止める。
「なんかドアの下に挟まってたんだけど」
そういって廉くんが見せたのは折りたたまれた紙だった。
中を開いてみると、スタジオが変更になったという連絡と場所を示す地図が書かれていた。
もしかして、さっきのスタッフさんが置いていってくれたのかな?



