楽屋にスタッフさんが呼びにきた。
あれ、出番はまだのはずなんだけど、早まったのかな?
ちょっと不思議に思ったけど、「すぐに行きます」と返事をした。
「出番早くね!? まだ着替えてねーよ!」
「隼人くん慌てないでよ。衣装はここにあるからさ〜」
「サンキュー理央! 秒で着替える!」
「ちょっと待って、隼人くん! 私まだいるから!」
「わ、ワリィ!」
隼人くんが着ているシャツを脱ごうとするから慌てて楽屋から飛び出した。
もうっ、隼人くんってば女の子と話すの苦手だって言うくせにこういうところがあるんだから!
とにかくみんなの着替えが終わるまでテキトーに時間を潰すことに。
あ、そろそろ出番だってこと白鳥さんにも連絡しておかないとな。
「よし、メッセージ送信……っと」
「あの、すみません。Stergazeさんのマネージャーさんでしょうか?」
話しかけてきたのはキャップを目深にかぶった男性スタッフだった。
「はい、そうですが」
「実はStergazeさんが歌唱するスタジオが変更になったんです」
「えっそうなんですか」
「Aスタジオの予定でしたが、急遽Cスタジオに変更になってしまって。急にすみません」



