かわいいなんて言ってもらえると思ってなかったから、びっくりしたしドキッとしてしまう。
だけど私以上に驚いていたのは隼人くん本人で、耳まで真っ赤にしながら慌てていた。
「あっ、いや、今のはその……!」
しどろもどろになりながら、隼人くんはもう一度言った。
「いや、しえるはかわいいと思う!」
「ふええ……」
隼人くんにつられて私まで真っ赤になってしまう。
あまりにもストレートすぎる言葉が恥ずかしいし、照れくさい。
「ありがとう」
でも不器用ながらに私を励まそうとしてくれているんだとわかったから、すごく嬉しかった。
やっぱり隼人くんは優しい人だな。
「あーもー、隼人くんのせいで暑くなっちゃったよ。アイス食べて帰らない?」
「お、おう! いいな、それ!」
「じゃあ着替えて帰ろう」
我ながら強引に話を変えたとは思うけど、これ以上は私もゆでダコになって大変だからこれでヨシとした。
何となくだけど、隼人くんと仲良くなれた気がする。
「……しえるはかわいい。特に笑った顔がかわいいよな」
隼人くんがそんな風につぶやいていたことは、私の耳には届いていなかった。



