だから私が気にしていたことにも気づいてくれたのかもしれない。
「べっ、別に大したことねぇよっ!」
隼人くんの顔がゆでダコみたいに真っ赤になっていたのでびっくりしてしまった。
「えっ、照れてるの?」
「ワリィかっ。てゆーか今更だけど、稽古中めちゃくちゃベタベタ触っちまった……!」
「ああ、もう少し腕の位置を下げた方がいいよって調整してくれたよね」
「ご、ごめん! 勝手に触ったりして……」
「えっ、いいよ。全然気にしてなかったけど」
それだけ熱心に教えてくれてありがたいな、って思ってたのに。
急に隼人くんは真っ赤になりながら、叱られた子犬みたいにシュンとしている。
なんだかすごくかわいいな。
「……俺、実は女子と話すの得意じゃないんだ」
「あ、そうなの?」
「仕事の時とかみんながいる前だとスイッチ入って平気なんだけど、二人きりは緊張するんだよ」
えーーっ、意外!
隼人くんってムードメーカー的存在だし、誰とでもすぐに仲良くなれちゃうんだと思ってた。
「ダセェよな……」



