その言葉を聞いてズキッと心が痛む。
そうだ、私が仲間に入れてもらったのはハッカーの腕前を買われてのことだった。
それ以外に取り柄のない私が何をしても、足手まといになるだけなんだ。
きっと蒼真くんは、また怪我して余計なことするなって釘を刺したいんだよね……。
「……わかった」
悔しいけど、仕方ない。
空手が得意な隼人くんの方が適任だもん。
*
「はーあ……」
なんだかすごく落ち込むなぁ。
だって私、仲間に入れてもらったのに何の役にも立ててないんだもん。
情報収集が得意な廉くん、発明が得意な理央くん、戦闘が得意な隼人くん。
蒼真くんはリーダーとしていつも冷静で頭が良くて、的確な指示を出している。
それに比べて私、何かした……?
せっかく理央くんから集中力がアップする特殊なメガネをもらったのに、何の役にも立ててない。
私の唯一の特技がハッキングなのに、何かできることないのかな?
「ハーッ! ヤーッ!」
急に大きな掛け声が響いてきたのでびっくりする。
声のする方を見てみたら、武道場から聞こえているみたいだった。



