スパイラル・コード〜内緒でハッカーやってたら、最強アイドルにバレちゃいました〜



 B組のリーダーは正に美織に向かってぶつかっていこうとしていた。
 私はとっさに前に出て美織をかばう。


「いたっ」


 思いっきり突き飛ばされ、尻もちをついた。


「しえる!?」

「美織! そのままシュートして!」

「っ! えいっ!」


 美織は一瞬止まりそうになったけど、私の言葉を聞いてそのままシュートした。
 ボールは吸い込まれるようにゴールに入り、二点目が決まる。

 そして同時に試合終了のホイッスルが鳴り響いた。


「やったあ! 勝った!」

「しえる!!」


 美織は勝利を喜ぶよりも先に私の元へ駆け寄った。


「大丈夫、しえる?」

「このくらい平気だよ。やったね、美織。ナイスゴール!」

「でも、しえるが……」


 美織は擦りむいた私の膝や腕を見て、ボロボロと涙をこぼす。


「ごめんね、わたしのせいだよね……」

「違う、美織のせいじゃないよ」


 とはいえ、さすがに痛いな……。
 血が出てるし、保健室行って消毒してもらわないと。


「しえる! 美織! 大丈夫か!?」


 そこへ蒼真くんが駆け寄ってきてくれた。
 廉くんと隼人くんも一緒だった。