「美織、ポニーテールかわいい」

「あ、ありがとう。しえるもやる?」

「私はいいや」

「なんでー? ハッキングの時はよくポニーテールにしてるじゃない」

「わっ! 美織、ハッキングのことは秘密だってば!」

「あ、ごめん」


 両手で自分の口を押さえる美織がかわいい。


「でも、動きやすいし結ぼうよ」

「んーそれもそうだね」

「私がやってあげる!」


 そういうと美織はリボンとコームを取り出し、ささっと私の髪をポニーテールに結わいてくれた。
 美織とおそろいの大きなリボンがかわいい。


「しえる、かわいいよ!」

「そうかな? 美織の方がかわいいと思うけど」

「しえるだって似合ってるしかわいいよ。私ね、嬉しいんだぁ。しえると同じクラスになれると思ってなかったから、一緒に球技大会に出られて」


 やっぱり美織って天使なんじゃないかと思う。
 こんな風に言われちゃったら、気合い入れて頑張るしかないじゃない?


「私も嬉しいよ。頑張ろう」

「うん!」


 なんて二人で鼓舞し合ってグラウンドに行ってみたら、なんだかすでに熱気がすごい。
 そういえばこれから男子サッカーの試合じゃなかったっけ?


「キャーーッ! 蒼真くん頑張って!」
「隼人くんファイトーー!」