試しにメガネをかけてみたら、確かにいつものメガネより集中できそうかも……?

 ハッキングはどうしてもPCと長時間向き合うことになるから、かなり目は疲れるんだよね。


「これ、私が使ってもいいの?」

「もちろん。そのためにつくったからね〜」

「さすが発明家。ありがとう」

「まあね〜。ねぇしえるん、ボクのお願い聞いてくれる?」

「ん?」


 私にできることなら聞くけど、なんだろう?


「膝貸して?」

「えっ、膝?」

「うん。膝枕してよ」

「え、えぇーー……」


 どんなお願いをされるかと思ったら、まさかの膝枕……!


「い、いいけど……」

「やったぁ」


 断る理由もないけど、本当にいいのかな……?

 戸惑いながらソファに座ると、すぐに理央くんはゴロンと寝転がって私の膝の上に頭を乗せた。


「ふふふ、気持ちいい〜」


 膝の上でゴロゴロする理央くんは本当に猫みたいでかわいい。
 だけど、人気アイドルに膝枕してるなんて不思議な気分だな。


「しえるん、たまにこうやって膝貸してよ」

「膝を? いいけど……」

「しえるんの膝、気に入っちゃったぁ」