私は勢いよくエンターキーを押す。


「これでミッションコンプリート!」


 ウィルスはすべて解除した。
 PCを確認すると、正常に作動してる。
 データも破損なし、問題ない。


「よし!」

「えー、もう終わったの? 結構自信あったんだけどな〜」

「いや、すごかったよ。手強いウィルスだった。これがテストじゃなかったらかなり大変だったかも」

「やるね、スピカ。想像以上だった」


 理央くんはソファから起き上がり、ゲーム機を置く。


「蒼真くんがわざわざスカウトするくらいからどんなもんかと思ってたけど、なるほどね〜」

「どう? 期待には応えられたかな」

「充分だよ」


 そう言うと理央くんはデスクの引き出しから何かを取り出した。


「はい、これ」

「何これ? メガネ?」


 理央くんから渡されたのはメガネだった。
 しかもただのメガネじゃなく、カラーレンズっていうのかな?
 レンズは淡いブルーがかっている。


「それはね、かけると集中力がアップするすごいメガネだよ〜」

「えっそうなの?」

「PCをずっと見てると目が疲れるけど、何時間見続けても疲れないんだ〜」