「ごめんね。行って大丈夫だからね」
「あ、ありがとうございます」
美織は私たちと同じ二年生なのに、優香は思わず敬語になっていた。
まあわかる、だってこんなにかわいい子を目の前にしたらドキドキしちゃうもん。
「ありがとう」
「うん、またね」
ニコッと微笑む笑顔はまるで天使だ。
「美織ちゃんのこと、生で見ちゃった!」
「ね、びっくりしたね」
「ものすっごくかわいくてドキドキしちゃった! しえる、すごいね。緊張しないの?」
「私はあんまり芸能人興味ないからね」
「やっぱりしえるに付き添ってもらってよかったぁ。なのにごめんね」
「ううん、全然気にしてないよ」
私はクラスでは芸能科なんて興味ありませーん、って顔をしている。
まあ実際興味ない。
さっき絡んできた子、全く名前知らないし。
でもそれはね、ある理由があるんだ。



