スパイラル・コード〜内緒でハッカーやってたら、最強アイドルにバレちゃいました〜



 せっかくなので私と美織も自己紹介した。


「星咲しえる、コードネームはスピカです。ハッカーやってます」

「MilkyRayの天ノ川美織です。あの、私のせいで皆さんにはご迷惑を……」


 申し訳なさそうに頭を下げる美織に私は首を横に振る。


「迷惑なんかじゃないよ。悪いのは脅迫してるやつなんだから」

「そうだよ、美織ちゃん。僕たちに任せて」


 廉くんが優しくほほ笑むと美織はポッと頬を赤らめる。


「ありがとうございます……!」


 美織はうるうるしながら頭を下げる。
 ああ、やっぱり美織はかわいいな。


「ねぇねぇ、しえるん」


 えっ、しえるんって私のこと?


「何? えっと、理央くんでいいかな」

「いいよ〜。しえるんのハッキングしてるところ見たいなぁ」


 理央くんが甘えた口調でいう。


「発明家としては気になるんだよね〜」

「理央くんは発明家なの?」

「そーだよ〜。便利なスパイグッズを作ってるんだぁ。はい、これはしえるんの分」


 そう言って手渡されたのは、普通のスマートフォンだった。


「これは?」

「Stergaze専用のスマホだよ〜」