そんなわけで私の新しい学園生活が始まる。
 もう戸惑ってなんかいられない、私には美織を守るという大事なミッションがあるんだから。

 コツン。
 隣の席から丸められたメモが投げられる。

 方向からして蒼真くんかな?
 蒼真くんは何事もなかったように私の方を見ようとしない。

 とりあえず紙を開いてみたら、なんだかよくわからない記号みたいなものが書かれていた。

 なんだろう、これ?
 黒いブロックが書かれてるみたいだけど。
 あれ、よく見たらなんか折り目がついてるな。

 その折り目に沿って折ってみたら、なんとQRコードができた!


「え、すごい……」


 これ、蒼真くんが作ったってこと?
 QRコードで読み込む暗号ってことだよね?

 スマホでQRコードを読み込んだら本当にメッセージが表示されたからびっくり!


《放課後、アジトに集合》


 秘密のメッセージだ。本当にスパイなんだな。

 Stergazeがスパイだなんてまだ半信半疑だったけど、こういうの見ると実感するかも。

 チラッと蒼真くんのことを見たら、目が合った。
「わかったようだな」と言わんばかりにニヤッとほほ笑む蒼真くんがカッコよくてドキドキした。