美織と一緒ならもうなんでもいいや。


「よかった、美織と一緒で。これでずっとそばにいられるね」

「ありがとう、しえる。私、ほんとはすごく心細くて……」


 悲しそうにうつむく美織がかわいい。


「大丈夫だよ、美織。私が絶対に守るから」

「しえる……」

「来たな」


 そう言って教室から蒼真くんが出てきた。


「蒼真くん」

「今日からStergazeのマネージャーとして芸能科に編入してもらう」

「マネージャーなんて聞いてないんだけど!?」

「表向きはそうするだけだよ。あんたも芸能科にいた方が都合がいいだろ」


 蒼真くんはコソッと耳打ちする。
 思わずドキッとしてしまった。


「そっか、なるほど……だったら昨日言ってくれたらよかったのに」

「忘れてた」


 蒼真くんが抜けてるって本当なんだな。
 でも完璧すぎるよりギャップがあっていいかも。


「でも美織のマネージャーがよかったなぁ」

「俺たちのマネージャーってことにした方が変に怪しまれないだろ」


 それは確かにそうだ。
 絶対目をつけられちゃうもんね。


「おっ、星咲さん来たんだな! 俺もA組だからよろしく!」

「隼人くん。うん、よろしくね」

「星咲さんって呼びにくいからしえるでいいか?」

「うん、いいよ」


 隼人くんってやっぱりワンコっぽいよね。


「蒼真くんも改めてよろしくね」

「ああ、よろしく」