こんなの絶対に許せない!
 美織が何をしたっていうの?


「星咲しえる、いやスピカ。俺たちに協力しろ」

「もちろんだよ! ……って、今なんて?」

「スピカ、協力しろと言ったんだ」

「ええっ!?」


 ちょっと待って! なんでスピカのこと知ってるの!?


「す、スピカって誰のこと!?」

「あんたが天才ハッカー、スピカなんだろ?」

「な、何のこと……?」


 今までないくらいの冷や汗がダラダラと流れる。


「ごめん、しえる。スピカのこと話しちゃった」


 美織が申し訳なさそうにいう。


「ええっ!?」

「美織に聞く前から疑ってたけどな。エレベーターを動かしたの、あんたなんだろ?」

「うっ」


 気づかれてないと思ってたけど、バレてたの……?


「天才ハッカー・スピカの噂は聞いてた。まさか中学生だとは思わなかったけどな」


 うう、ごめんなさいお兄ちゃん。私がスピカだってことは誰にも秘密だったのに……。


「そうだよ、私がスピカ。協力するって何をすればいいの?」

「俺たちStergazeはスパイという裏の顔がある」

「す、スパイ?」

「そうだ。表向きはアイドルとして活動しながら、裏ではスパイとして芸能界の様々な事件を追っているんだ」

「えぇーー!?」