そう答えたら、何故か私だけ睨まれた。


「付き添いって何それ? 本当はStergazeのファンなんじゃないの?」


 え? スターゲイズ?
 何それ?


「よくいるのよね、あなたみたいな厄介なファン。あなたみたいな普通の子が、Stergazeに相手にされるわけないのに」


 いやいや、だから知らないってば。
 私は本当にただの付き添いなのに。


「違います、私がお願いしてついてきてもらったんです」


 優香がフォローしてくれたけど、聞く耳持たない。


「だから便乗して来たんでしょ? ほんっとに図々しいんだから」


 だから知らないっつーの!
 そろそろイライラして言い返してやろうと思ったら、


「ねぇ、やめなよ」


 かわいらしい声が聞こえた。


「あ、天ノ川さん……」

「やめなよ。違うって言ってるじゃない」


 彼女の名前は、天ノ川美織(みおり)
 名前からわかる通り、天ノ川学園理事長の孫。

 それだけじゃなく、MilkyRayっていうアイドルグループでセンターを務めている。

 ふわふわの髪、くりくりした大きな瞳、甘くてかわいらしい声。
 百人が百人かわいい! って見惚れてしまうくらいの美少女だ。