廉くんと一緒に普通科の校舎に戻り、エレベーターに乗り込む。
 廉くんが普通に乗るから一緒に乗っちゃったけど、大丈夫なのかな?


「蒼真とエレベーターに閉じ込められたんだって?」

「は、はい……」

「ふふ、なんかドラマみたいだね」

「あはは……」


 わけがわからない私は苦笑いするしかなかった。


「あの、何階に行くんですか?」

「五階だよ」

「ご、ごかい??」


 普通科の校舎は四階建てなのに?
 五階へ行くボタンなんてないはずなんだけど??


「一と四を同時に押すと行けるから覚えておいてね」

「えっ、えっ??」


 私の頭の中はますますハテナマークでいっぱいだ。
 戸惑っていたらチーンという音がして、エレベーターのドアが開く。


「やっと来たー!」


 ドアが開いた瞬間、一際明るい声が響く。


「遅かったなぁ。もう待ちくたびれたじゃん」


 ブーブーと唇をとがらせているのは、狩谷隼人くんだった。


「お待たせ、隼人」

「ねぇ廉くん、その子が蒼真くんが言ってた子〜?」


 ソファに寝転がり、のんびりとした声で聞いたのは馬渕理央くん。


「そうだよ、理央」

「よし、全員そろったな」


 そして、蒼真くんもいた。