何をやっても平凡な私とは大違いだな……。


「クールなところもすっごくカッコいいよね!」

「わかる〜!!」


 優香と梨沙はきゃあきゃあと興奮していた。


「蒼真くんは三年生?」

「わたしたちと同じ二年生だよ!」


 え、そうなんだ。
 タメとは思えないくらい大人っぽいな。


「ね、ね、しえるは誰推し?」

「やっぱり蒼真くん?」

「え? うーーん……」


 みんなカッコいいと思うけど、推しって言われると誰もピンとこないな。


「特にいないかも」

「えーー!? なんでぇ?」

「しえるってば、アイドルに興味なさすぎだよ」

「あはは……」


 だって私の推しは美織だけだし。
 どんなにイケメンでも他の人を推してる暇なんてないんだ。

 スピカとしての仕事もあるし。
 ――なんて、二人には絶対言えないけどね。