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あれから。
警察により、久慈先生は逮捕された。
隼人くんが戦った屈強な男たちは先生が雇った別組織のスパイらしく、この人たちもまとめて逮捕された。
久慈先生は突然諸事情で辞めることになったと告げられた。
森先生が産休に入るから代わりの先生を決めなきゃいけないと、学園は大忙しのようだ。
久慈先生がメテオプロのスパイだったことは、生徒たちも教師たちにも知らされていない。
体育館に爆弾が仕掛けられていたなんて、当然誰も知らない。
一連の事件は警察がすべて解決したことにして、私もStergazeも一切関わっていないことになっていた。
そのことについて美織はやや不満げだった。
「しえるたちがあんなにがんばったのに、手柄を横取りされたみたい」
「これでいいんだよ。関わりがあったと知れたら厄介なことになるし、誰にも気づかれないことがベストなんだと思う」
蒼真くんも言っていた。
スパイもハッカーも陽の目を浴びることはない。
誰にも知られず感謝されることがなくても、密かに誰かの役に立っている。
それでいいんだって。



