私は学園内の監視カメラをハッキングした。
 即座にすべてのカメラ映像が映し出される。

 どこ? 爆弾はどこにあるの?


「あっ!」


 体育館の倉庫で何かが光ってる。
 その映像を拡大してみると、赤い光が点滅している。

 これは――時間だ!
 あと二十分で爆弾が作動してしまう!


「このクソガキが! ウロチョロしやがって!」

「絶対に邪魔はさせない!」


 蒼真くんが先生を食い止めてくれている。
 とにかくこの爆弾を止めなければ。

 でもここからどうやって?
 あと二十分しかないのに……!


「……あ、そういえば」


 私はスマホを取り出してハッキングアプリを立ち上げる。
 ハッキングアプリは理央くんが強化してくれた。

 “遠隔”でも電波を飛ばしてハッキングできるようにしてくれたんだ!

 私は目にも止まらぬ速さでハッキングを始める。

 よし、爆弾をハッキングできた!
 あとはこれを止めるだけ!


「お願い、止まって!」


 私は祈るような気持ちでひたすらスマホをタップし続けた。

 PCの画面を見ながら時間を確認する。
 あと五分、まだ止まらない。

 時間だけが過ぎてゆく。


「止まれーー!!」