スパイラル・コード〜内緒でハッカーやってたら、最強アイドルにバレちゃいました〜



 狂ったように笑い声をあげる先生に対し、蒼真くんが即座に拳銃を構えて撃った。
 弾は見事に先生の手をかすめ、その弾みでスイッチを落とす。


「テメ……っ」

「観念しろ」


 蒼真くんは先生に向かって銃口を向ける。
 スイッチは床に転がっている。
 スイッチがなければ爆弾が発動することはない、そう思っていたけれど。


「ククク、残念だったなぁ。このスイッチはブラフだ。もう爆弾は作動してんだよ!」

「なっ……!」


 爆弾はもう作動してる!?
 そんな……!


「爆弾は時限式なんだ。あと三十分もすりゃすべて吹き飛ぶ!」

「お前、自分が何をしてるかわかってるのか!」

「わかってるよ! 天ノ川学園なんてなくなっちまえば、メテオこそがナンバーワンなんだ!」

「イカれてるな……」


 蒼真くんはギリッと歯を噛み締めた後、私に向かって叫んだ。


「スピカ! 爆弾を止めるんだ!」

「えっ!?」

「無駄だ! そんなことできるわけがない!」

「いや、あんたならできる!」


 爆弾がどこにあるのかわからない。
 わかったとしても、止められるのかわからない。

 でも、やるしかない!