「まず、三年生の鷲尾廉くん! 正に優しい王子様系イケメン!」
柔らかなベージュ色の髪に優しげな瞳。
美織が言ってた廉くんってこの人のことか。
「廉くんは五歳の時から子役として活躍してて、演技がとっても上手なんだよ」
「あ、そういえば美織が……」
「え?」
「なんでもない!」
そういえば美織がアイドルになりたいって言った時、理由を聞いたら廉くんみたいになりたいからって言ってたな。
あの時はわかってなかったけど、人見知りの美織が自分からやりたいなんて言うことなかったから、応援したいなって思ったんだ。
「だからあんなに緊張してたんだね」
「何が?」
「なんでもない! えっと、この人は?」
私はブロマイドの金髪の子を指差す。
「二年生の狩谷隼人くん。運動神経バツグンでキレキレのダンスがカッコいいの!」
「へー」
「バラエティにたくさん出てて、トークが面白いんだよ。隼人くんがいるだけで明るくなるっていうか、盛り上げ隊長って感じだね」
確かにブロマイドでも人懐っこそうに笑ってる。
なんかちょっとワンコっぽいイメージだな。



