スパイラル・コード〜内緒でハッカーやってたら、最強アイドルにバレちゃいました〜



 仕方なくサンダーセイバーを手放し、両手を挙げた。
 男は満足そうにニヤリと笑う。

 クソッ、どうする?
 何とか隙を突けたらいいんだけど――。

 その時、シュッという音がした。


「な、なんだこれは!?」


 男の待っていた拳銃にネバネバがくっついている。
 これは、もしかして?


「フフッ、天才発明家・カペラ参上〜」


 言葉とは裏腹の気だるい口調でカペラこと理央がやってきた。
 その手にはシューティングマシーンを持っている。


「カペラ! サンキュー!」


 拳銃を使えなくしてしまえばこっちのものだ。
 俺は素早く男に駆け寄り、手刀で拳銃をはたき落とす。


「ぐはっ!」


 そのまま渾身のキックをお見舞いしてやった。
 壁まで吹っ飛ばされた男は、そのまま激突して気絶する。


「一丁あがり!」

「さすがベテルギウスだね〜」

「おう、サンキュー。つーかなんでお前がここにいるんだよ?」

「蒼真くんから連絡あったんだ。みおりんには廉くんがついてるから、ボクは隼人くんのサポートにきたってわけ」

「シリウスめ……俺一人で大丈夫って言ったのに」

「うちのリーダー、ああ見えて心配性だからね」


 とはいえ、銃まで持ってるとは思わなかったから理央が来てくれて助かった。
 もしかしたら蒼真はそこまで読んでいたのかもしれないな。


「さすがだぜ、リーダー」

「あとは任せよう」

「ああ」


 頼んだぜ、シリウス、そしてスピカ――!