「こっちだよ!」


 私の先導で蒼真くん、隼人くんとともに脅迫犯のいる場所へと向かう。

 多分位置的には一番奥の部屋だ。
 絶対つかまえてやるんだから……!


「待て!」


 目の前に大柄な男性四人が立ちふさがった。
 警備員ではないことは一目見てわかる。

 警備服を着てないし、彼らが持ってるのは……ナイフ!?
 思わず後ずさる。


「ここから先には行かせないぜ?」


 ニヤッと笑う男たちにゾッとする。

 どうしよう、あと一歩なのに……!


「シリウス、スピカ。先に行ってくれ」


 え、隼人くん?


「ここは俺が引き受ける!」

「そんな! 相手はナイフを持ってるんだよ!? 一人でなんて危険だよ!」

「大丈夫だって」


 そういうと隼人くんはポケットから黒い杖を取り出す。
 カチッと音がしたかと思うと、杖の先が伸びて刀になった。


「こいつはサンダーセイバー! カペラの発明した秘密兵器で、触れるとビリビリしびれるぜ!」


 黒い刀の刃の部分からは、確かに電流がほとばしっている。


「感電することはないけど、一発でも食らえば即気絶するスタンガンの効果もある優れものだ」

「すごいけど、でも」

「ここはベテルギウスに任せよう」