優しい声が聞こえて涙が出そうになった。
駆け寄ってくれたのは廉くん、その後ろには理央くんもいた。
「今助けるからね」
そういって廉くんは口に当てられた布を外してくれる。
「っ、れんくん……っ」
嬉しい、来てくれたんだ……。
「理央、この縄切れる?」
「任せて〜」
理央くんはどこからかカッターを取り出すと、私を縛っていた縄を切ってくれた。
「ありがとう、二人とも!」
「無事でよかった。怪我してない?」
「してない、です」
縛られていたところは赤くなってるけど……。
多分ほどこうとしてジタバタしてたから余計に赤くなっちゃったんだろうな。
「……手首、赤くなってるね」
「これは、大丈夫」
今さらだけど、廉くんが目の前にいるのすごく緊張しちゃう……!
ドキドキして上手く話せない。
――ちゅっ。
「……えっ!?」
い、今、廉くんにキスされた!?
赤くなった手首にキスを落とされて、私の心臓は破裂寸前。
「早く治るようにおまじない――なんてね」
ちょっとイタズラっぽく笑う廉くんがカッコ良すぎて、まともに顔が見られない。



