* * *

【美織side】


「ん、ん〜〜っ」


 ダメだ、全然縄がほどけない……。

 私は今、メテオプロダクションの密室に監禁されている。
 両手、両足首を縄で縛られた上に口もふさがれている。

 ここがメテオプロの本社ビルだということはわかるけど、何階のどの部屋なのかはわからない。
 部屋も暗くてよく見えないし……。


「……っ」


 私って、どうして他人に迷惑しかかけないんだろう?
 みんなを笑顔にするアイドルになりたかったはずなのに、迷惑かけることばかりしている。

 私のせいで脅迫状が届き、MilkyRayは活動休止になった。
 スパイとしてStergazeが守ってくれたり、しえるまで私のためにStergazeのメンバーになってくれた。

 それなのに、私は結局つかまってしまって……。

 ごめんなさい、だまされてることはわかってた。
 それでも、しえるに危険な目にあってほしくなかった。

 トイレに入ったら、目の前にこんなカードが貼られていた。

「天ノ川美織
 星咲しえるをひどい目にあわされたくなかったら、誰にも気づかれないようにメテオプロダクション本社ビルへ来い」