さすがは理央くん、独自のガジェットで戦うところが理央くんらしい。
何より心なしか、すごく楽しそう。
「みてみて、しえるん! ボクの発明すごいでしょ?」
無邪気にドヤ顔してる理央くん、かわいい。
この状況でも余裕だなぁ。
「! 理央くん、危ないっ!」
理央くんの真後ろから警備員が警棒を振り上げていた。
だけど次の瞬間、真横から飛び蹴りで廉くんが撃退する。
「理央、油断しないの」
普段は穏やかな廉くんだけど、この時はちょっとピリッとしていた。
「は〜い、ごめんなさ〜い」
「しえるちゃんも大丈夫だった?」
「大丈夫! ありがとう!」
「ふう、これであらかた片付いたかな」
気づけばあんなに大勢いた警備員たちは全員のびている。
すごい、あっという間だった……!
みんな強すぎる。
凄腕スパイの実力を証明された気分!
「まだ敵が襲ってくるかもしれない。ここからは二手に分かれるぞ」
蒼真くんがいった。
「廉と理央は美織を頼む。隼人としえるは俺と一緒に犯人を追う」
「わかった。そっちは任せたよ」
廉くんがうなずき、理央くんとともに美織が囚われている二十階に駆け上がっていった。
「スピカ、犯人の居場所は?」
「今調べる!」
超高速でキーボードを叩き、犯人の居場所を探る。
今でもまだ信じられない、あの人が犯人かもしれないなんて――。



