私たちはメテオプロダクションの本社ビルにやって来ていた。
とても大きな高層ビルだ。
ここに美織がいるんだよね。
待ってて、美織……!
こっそりと裏口に回る。
もちろん鍵がかかっていて開くことはできない。
「スピカ」
「任せて!」
こういう時こそ私の出番!
メテオプロダクションのセキュリティシステムをハッキングし、裏口の鍵を解除する。
ガチャリ。
鍵が開く音がしたのでドアノブをひねってみれば、扉が開いた。
「よし、開いた!」
「さすがスピカだぜ!」
隼人くんが嬉しそうに声をあげる。
思わず全員で「しーっ」と人差し指を唇に当てた。
「静かに!」
「わ、ワリィ」
隼人くんは慌てて両手で口を押さえる。
「潜入するぞ」
蒼真くんの合図でなるべく物音を立てないようにしながら、裏口から侵入した。
私はPCで事務所内の構造を確認する。
美織のスマホのGPSからすると、恐らく二十階にいると思われる。
「ここからの最短ルートは……これだ!」
マップがわかれば最短ルートを算出することも容易い。
「よし、行くぞ」
みんなで進もうとした、その時だ。



