私の疑問を察したのか、クスッと笑って廉くんが指さす。
「これ、僕だよ」
「えっ……」
思わず絶句してしまった。
だって廉くんが指さしたのは、どこからどう見ても女の子だったから!
えぇーー!? これが廉くん!?
めちゃくちゃ美少女なんですけど!?
「新人アイドルのフリして近づいたんだ。エトワールの皆さんに憧れてるんです、って言って。みんな喜んで写真撮ってくれたよ」
「え、かわいすぎるんだけど……」
「廉は変装の達人だからな」
「母がメイクアップアーティストだから色々教えてもらったんだ。しえるちゃんもメイクしてあげようか?」
「大丈夫……デス」
改めて写真を見たけど、本当に女の子にしか見えない。
しかも私よりも圧倒的にかわいい。
全生徒の顔と名前を把握する記憶力、洞察力、女の子にもなりきってしまう演技力。
そして情報収集力と交渉力といい、廉くんもやっぱりすごい人なんだ。
そつなくこなせてしまうところがスマートでカッコいい。
美織が憧れるのもわかる気がするな。



