響け、希望と愛の鐘

アパートのバルコニーでハギくんを待つ。

ハドソン川の夕暮れがオレンジに染まり、優美の指輪が光を反射する。

 彼が玄関のドアを開けるなり、優美は彼に駆け寄って抱き着いた。

 「優美、どうした?
 いつになく甘えんぼで。
 
何か、優美にしては珍しい、泣きそうな顔してる」

 ハギくんが笑い、優美の背中にそっと腕を回して、彼女の背中を軽く叩いた。

優美が深呼吸し、目を潤ませる。

 「ハギくん……私、妊娠した。

 今日、病院行ったらね、3ヶ月だって」

 ハギくんの目が大きく見開き、涙が溢れる。

 「優美………これ、ドッキリとかじゃないよね?
 俺…パパになる?
 幸せすぎる!」

 彼は優美を抱きしめ、額や唇に何度もキスを落とした。
 夕陽が二人のシルエットを包む。