響け、希望と愛の鐘

ハギくんがノートパソコンを手に現れた。

 「優美先輩、NPOの申請、書類全部揃いました!
 
優美先輩の母親にも、完璧ってお墨付きいただきました!

  デモのスピーチ、俺、めっちゃ楽しみっす!」

優美は頷き、仲間たちを見渡した。

 「みんな……
 ほんと、ありがと。

 デモ、絶対成功させる」

スマホに新たなメッセージ。

 『デモの前夜、潰す』

 自由空間の会の残党は、未だに脅迫を続けていた。

 優美の手が震える。

 だが、ハギくんがそばにいる。

 優美はスピーチ原稿を握り、呟いた。

「私たちの声、届けなきゃ。

 絶対、大丈夫」

事務所の窓から、東京の夜景が輝く。

 全国デモは、いよいよ翌日だ。