響け、希望と愛の鐘

ハギくんが言葉を選ぶように、ポツリと話し始める。

「優美先輩。
 
俺、まだ中学生だったときに、
優美先輩に栞渡したの、憶えてません?」

 優美は目を丸くする。

「アガパンサスのやつだよね?
 
ちゃんと持ってるよ。

 手帳に挟むのに丁度いいから、常に持ってる。

 花言葉にラブレター、って意味があるのは、この年になるまで知らなかったけどね。

 小さい矢萩としては、私への告白だった、ってわけなんだね」

 「優美先輩。

 俺、ずっと先輩のこと、支えたいって思ってた。
 
さすがに監禁されたときは、心臓止まるかと思いましたけど。
 
優美先輩を守りたかったから、俺も頑張りました。

相沢さんや矢吹さんに会うときに、護身術を教えてもらったりもしてたんですよ。

優美先輩を守りたかったから」

優美の目に涙が滲む。