女王陛下のお婿さま


 確かに、年齢的に考えればクリストフの言う通りだった。今はすぐに結婚する気は無いとはいえ、婚約という形で相手を決めるべき時なのだろう。だけど……

 クラウスとは、湖に落ちたあの朝以来、きちんと話をしていない。彼はずっとファビオの侍従として付いてしまっているし、気不味くて前のように気軽に話し掛けられないでいた。クラウスも、ファビオやルイがいるからか、何も言っては来ない。

 こんな気持ちのまま、婿を選んだりしてしまっていいのだろうか。

 それともこれが、諦める、という事なのだろうか……

「……分かりました、お父様。ニコライに言って、舞踏会の準備を進めますね」

 グラグラと揺れる想いを抱えながら、アルベルティーナは父親にそんな返事を返した。クリストフは満足そうに頷いた。