女王陛下のお婿さま

 翌朝の朝食も三人で。しかし今朝の顔ぶれは、アルベルティーナとクリストフ、エメリナの両親の三人でだった。クリストフがまた話があると、私室に呼んだのだ。親子の席は、流石にファビオもルイも、同席は遠慮してくれた。

 クリストフはやはり、自分が呼んだのに食事中は何も話さなかった。アルベルティーナがデザートに手をつけると決まって話を切り出すのだ。

「――ティナ、あの二人の王子はどうだい?」

「どうだいって……どういう事ですか?」

 お婿さん候補としてどうだ、と言いたいのは分かっていたが、それをあえてとぼけてみせた。実のところ、どうもこうも無いのだ。ここ数日ずっと、あの二人のやり合いに辟易しているのだから。

「いやはや、ティナ。それは、その……何と言うか……」

 クリストフはアルベルティーナに弱い所がある。一人娘だからだろう、どんなに大人になっても可愛くて仕方ない。それ故に強くは出れないのだ。それに、自分が早々に退位してしまったせいで、国を治めるという大仕事をさせてしまっている事にも罪悪感がある。

 だからこそ、娘には早く良い伴侶を取らせ、幸せになって欲しかった。

 クリストフは暫く考えた末に、何かを閃いたのか、ポンと手を打った。

「そうだ、ティナ! 今週末に、二人の王子の歓迎を兼ねて、舞踏会を開くのはどうだい?」

「舞踏会、ですか……」

 ワクワクした表情のクリストフとは違い、アルベルティーナの脳裏には、華やかな会場で益々いがみ合う二人の姿が浮かんでしまう。そしてうんざりした。

「そのような場での立ち居振る舞いを見ておくのも、婿選びには必要なのではないか? 華やかな会場では自然と話も弾み、もっと親しくなれるだろう」

 どうやらクリストフは娘の婿はファビオかルイを、と考えているようだった。そんな父親の想いに応えたいとは思うが……

「それに、来月にはお前も二十五歳だ。そろそろ伴侶を決める、いい機会なのではないか?」

「伴侶……」