アルベルティーナがこの国、ハレルヤ王国の女王に即位したのは二年前。二十歳で成人し社交界デビューしてから、まだたった二年しか経たっていない二十二の頃だった。
アルベルティーナの父親――つまり前国王クリストフは、彼女が成人して王位継承権が執行出来る二十歳になると、たった二年で引継ぎを済ませ、早々に退位して王位を譲ってしまったのだ。
アルベルティーナは、クリストフが高齢になってから出来た一人娘だった。彼女は、激務である公務を年老いた父親が苦労してこなしている事、その体調をずっと心配していた。だから自分が成人して、あっさり王位を譲られた時は、父の為にとすんなりと受け入れたのだ。
しかし、それまで公務には触れて来なかったアルベルティーナは、政は一から学ぶ必要があった。初めはチンプンカンプンだったが、元々素質はあったのだろう。理解し始めると段々面白いと感じ夢中になった。
国の何処に資金を使うのか、他国とどう交流をするのか。自分の決断で、国を良くする事も、悪くする事も出来る。国王としてまだ半人前だが、それでもアルベルティーナの一言は国を大きく動かせる。その責任の重さも知った。
若く世間知らずだったが、才能を遺憾なく発揮し彼女は実に上手く立ち回った。その証拠に、アルベルティーナが王位を継承したこの二年で、前国王の頃よりもハレルヤ王国は大きく豊かになっていた。
国が安定してくると、アルベルティーナに次に課せられたのは、婚姻する事だった。
いくら彼女が上手く国を治めていても、世の中には『結婚もしていない尻の青い小娘』などと、無礼な対応をしてくる国は少なからずある。兄弟もいないので、世継ぎの問題も気になる所だ。
ハレルヤ王国では女性は大体二十五、六で結婚する。二十四歳のアルベルティーナは少し早いが、結婚適齢期に入るところだ。しかし彼女の立場からいえば早いに越した事はない。
アルベルティーナの父親――つまり前国王クリストフは、彼女が成人して王位継承権が執行出来る二十歳になると、たった二年で引継ぎを済ませ、早々に退位して王位を譲ってしまったのだ。
アルベルティーナは、クリストフが高齢になってから出来た一人娘だった。彼女は、激務である公務を年老いた父親が苦労してこなしている事、その体調をずっと心配していた。だから自分が成人して、あっさり王位を譲られた時は、父の為にとすんなりと受け入れたのだ。
しかし、それまで公務には触れて来なかったアルベルティーナは、政は一から学ぶ必要があった。初めはチンプンカンプンだったが、元々素質はあったのだろう。理解し始めると段々面白いと感じ夢中になった。
国の何処に資金を使うのか、他国とどう交流をするのか。自分の決断で、国を良くする事も、悪くする事も出来る。国王としてまだ半人前だが、それでもアルベルティーナの一言は国を大きく動かせる。その責任の重さも知った。
若く世間知らずだったが、才能を遺憾なく発揮し彼女は実に上手く立ち回った。その証拠に、アルベルティーナが王位を継承したこの二年で、前国王の頃よりもハレルヤ王国は大きく豊かになっていた。
国が安定してくると、アルベルティーナに次に課せられたのは、婚姻する事だった。
いくら彼女が上手く国を治めていても、世の中には『結婚もしていない尻の青い小娘』などと、無礼な対応をしてくる国は少なからずある。兄弟もいないので、世継ぎの問題も気になる所だ。
ハレルヤ王国では女性は大体二十五、六で結婚する。二十四歳のアルベルティーナは少し早いが、結婚適齢期に入るところだ。しかし彼女の立場からいえば早いに越した事はない。


