女王陛下のお婿さま


「ああ、それと……」

「他にもあるの?」

「そのドレス、ティナにとても似合ってる。綺麗だよ」

 クラウスの不意の言葉に、驚いてアルベルティーナは固まってしまった。それに気づいたのか気付かなかったのか、彼はそのまま部屋を出ていってしまった。

 扉が閉められると、アルベルティーナはその場にへたり込んだ。顔なんてもう、真っ赤だ。

 クラウスは、素なのかわざとなのか、時々あんな事を言う。綺麗だよとか、可愛いなとか、さらりと突然。彼は嘘をつくような人では無いから、本当にそう思って素直に言葉にしているだけなのだろうけど。

 その度に驚いて、心臓がドキドキしてしまう……。

 アルベルティーナは顔の熱さを静めるように、両手で頬を押さえた。同時にまた、ため息が出てしまった。