場の空気を読んで、宝瑠は日葵の横でしとやかに微笑んだ。久々津とも距離が近い。
「ありがとうございます」と彼がスマホを受け取っていた。その様子を何とはなしに眺めていたら、ふと目に止まった。写真を撮ってくれた彼女の鞄には丸いチャームが付いていた。あれは……マタニティマークだ。
カップル……じゃなくて。若い夫婦だったんだ。
彼女のお腹には赤ちゃんがいて、だからこそ日葵を見て、「可愛い」と囁いていたのだろう。
何となく、胸の奥がきゅっと痛くなった。
その後も順に園内を歩き回り、パンダやペンギン、シロクマ、猿やゴリラ、ライオンなどの猛獣まで、種々様々な動物を目にしては写真を撮った。「パパとふたりで」と言われ、宝瑠のスマホでも撮影した。
「写真送ってほしいから、あとでライン交換して?」
そう久々津に言われ、宝瑠は無言で頷いた。
動物園に入ってすぐは、三人での構図に戸惑っていたけれど、慣れとは恐ろしいものだ。日葵に「ママ」と呼ばれても、抵抗もなく受け入れてしまう。久々津とは夫婦でもなんでもないのに、平然と会話を交わしてしまう。
昼食時になり、久々津がバックパックからお弁当を出してきて、レジャーシートとともに休憩スペースに広げた。宝瑠はあまりのことに驚き、「作ってきたんですか?」と頓狂な声を上げた。
「ありがとうございます」と彼がスマホを受け取っていた。その様子を何とはなしに眺めていたら、ふと目に止まった。写真を撮ってくれた彼女の鞄には丸いチャームが付いていた。あれは……マタニティマークだ。
カップル……じゃなくて。若い夫婦だったんだ。
彼女のお腹には赤ちゃんがいて、だからこそ日葵を見て、「可愛い」と囁いていたのだろう。
何となく、胸の奥がきゅっと痛くなった。
その後も順に園内を歩き回り、パンダやペンギン、シロクマ、猿やゴリラ、ライオンなどの猛獣まで、種々様々な動物を目にしては写真を撮った。「パパとふたりで」と言われ、宝瑠のスマホでも撮影した。
「写真送ってほしいから、あとでライン交換して?」
そう久々津に言われ、宝瑠は無言で頷いた。
動物園に入ってすぐは、三人での構図に戸惑っていたけれど、慣れとは恐ろしいものだ。日葵に「ママ」と呼ばれても、抵抗もなく受け入れてしまう。久々津とは夫婦でもなんでもないのに、平然と会話を交わしてしまう。
昼食時になり、久々津がバックパックからお弁当を出してきて、レジャーシートとともに休憩スペースに広げた。宝瑠はあまりのことに驚き、「作ってきたんですか?」と頓狂な声を上げた。



