AI生成でママにされた私は、シングルの年下クズ男子に再構築されています。

 久々津の隣という状況に果てしなく違和感を抱いていた。

「今日はばっちり決めてきたんですね?」
「……え」

 ふいに久々津の声がして隣を向く。彼はサングラス越しに宝瑠を見て、かすかに口角を上げた。

「髪……下ろすと雰囲気変わりますね?」

 そうも言われて、宝瑠は思わず自分の髪に触れた。

 化粧することと服装を決めることに手こずり、髪は上げずに下ろしてきたのだ。帽子を被ればUVカットもできるし、ちょうどいいと考えて。

 久々津へのリアクションに戸惑い、「ええ、まぁ」と曖昧に受け答えした。そして気づいた。「ばっちり決めてきた」というのは、化粧や服装のことを言っているのだと。

 気合いが入っていると捉えられた気がして、少し恥ずかしくなる。

 別に、あんたのためとか、そんなんじゃないし。

 久々津の運転する車は信号待ちから、すいすいと先へ進み、やがて動物園内の駐車場へ停車した。

 園内には家族連れや恋人たちの楽しげな声が響いていた。

「あーっ、ゾウさんだー!」

 それまで久々津と手を繋いでいた日葵が、我先にと走り出し、象舎の観覧柵に手をかけた。

 やれやれと言いたげに久々津が嘆息し、宝瑠に目配せを送る。なぜかその視線にドキッとしてしまう。久々津は宝瑠とすれ違い、日葵へと駆け寄った。