全く話が見えない。久々津ら親子の、繋がりと呼ぶべきルーツがてんで理解できない。
「あの……。不躾な質問をするようで申し訳ないんですけど。日葵ちゃんと久々津さんの、血縁関係というのは……」
「あるよ。百パー、俺の娘」
「そっ、それなら相手が誰か、ぐらいはわかるでしょう? そもそもパートナーの方が出産されたのなら」
「ていうか——俺、結婚してないんだよね」
「……へ?」
急に話がそれた。宝瑠は混乱から首を捻った。母親が誰かわからないと聞いているので、当然そうだろうとは思うのだが。パートナー、イコール、性交の相手という意味で伝わらなかったようだ。
「日葵はさ」と一度言葉を切り、久々津が立ち上がる。扉の前に立つ宝瑠に近づき、宝瑠はとっさに身をそらした。わきに避けると、久々津がドアノブを掴んで開けた。
部屋の外を確認し、また扉を閉めていた。その動作を見て理解する。誤って日葵に聞かれてしまうと、困る話題なのだろう。
再び久々津が定位置の椅子に座る。ちょいちょいと宝瑠に手招きし、そばに座るよう促した。
宝瑠は不承不承、身を寄せ、久々津のすぐそばに腰を下ろした。
「日葵はさ。赤ちゃんのころ……施設の前に捨てられてたの。それを俺が引き取った」
「……え」
久々津の小声に合わせて、宝瑠のつぶやきも自然と小さくなる。
「あの……。不躾な質問をするようで申し訳ないんですけど。日葵ちゃんと久々津さんの、血縁関係というのは……」
「あるよ。百パー、俺の娘」
「そっ、それなら相手が誰か、ぐらいはわかるでしょう? そもそもパートナーの方が出産されたのなら」
「ていうか——俺、結婚してないんだよね」
「……へ?」
急に話がそれた。宝瑠は混乱から首を捻った。母親が誰かわからないと聞いているので、当然そうだろうとは思うのだが。パートナー、イコール、性交の相手という意味で伝わらなかったようだ。
「日葵はさ」と一度言葉を切り、久々津が立ち上がる。扉の前に立つ宝瑠に近づき、宝瑠はとっさに身をそらした。わきに避けると、久々津がドアノブを掴んで開けた。
部屋の外を確認し、また扉を閉めていた。その動作を見て理解する。誤って日葵に聞かれてしまうと、困る話題なのだろう。
再び久々津が定位置の椅子に座る。ちょいちょいと宝瑠に手招きし、そばに座るよう促した。
宝瑠は不承不承、身を寄せ、久々津のすぐそばに腰を下ろした。
「日葵はさ。赤ちゃんのころ……施設の前に捨てられてたの。それを俺が引き取った」
「……え」
久々津の小声に合わせて、宝瑠のつぶやきも自然と小さくなる。



