日葵と一緒にいるのは二十代後半ぐらいの、若い男性だった。ベンチのそばには砂場がある。男性は砂場に目を向けながら、小さな男の子に声をかけている。三歳ぐらいの男児だ。
「パパ、はやくきてよー」
「ちょっとだけ待っててな。このお姉ちゃん、今ひとりだから」
会話と光景から瞬時に判断する。
日葵に声をかけたのは、不審者ではなかった。子を持つ父親で、公園にひとりきり、スマホを握りしめる女の子を見過ごせない気持ちから、ただ寄り添っていただけだった。
「あっ、ママー!」
宝瑠が言葉を失っていると、日葵が笑顔で駆け寄ってきた。ハッとし「ひまちゃん」と声をかける。
それまで一緒にいてくれた男性に会釈をされる。宝瑠も慌てて頭を下げた。
だが、その男性は首を少し傾げながら笑みを固めた。
宝瑠の格好を見て、あれ、と違和感を抱いているような仕草だった。お母さん、仕事じゃなかったの。そう言われているような気がした。それもそのはず。
宝瑠は日葵の身を案じて、室内着のまま飛び出してきたのだ。タンクトップとボトムスとカーディガンの三点セットで合わせた、休日スタイル丸出しの格好で。おまけに外出の予定がなかったので、ノーメイクだ。
思わず頬がカッと熱くなった。決して自分が母親なわけではないのだが、それをこの男性に言って取り繕うと、余計ややこしくなる。
男性は砂場にいる息子に話しかけ、子供と遊び始めた。
「パパ、はやくきてよー」
「ちょっとだけ待っててな。このお姉ちゃん、今ひとりだから」
会話と光景から瞬時に判断する。
日葵に声をかけたのは、不審者ではなかった。子を持つ父親で、公園にひとりきり、スマホを握りしめる女の子を見過ごせない気持ちから、ただ寄り添っていただけだった。
「あっ、ママー!」
宝瑠が言葉を失っていると、日葵が笑顔で駆け寄ってきた。ハッとし「ひまちゃん」と声をかける。
それまで一緒にいてくれた男性に会釈をされる。宝瑠も慌てて頭を下げた。
だが、その男性は首を少し傾げながら笑みを固めた。
宝瑠の格好を見て、あれ、と違和感を抱いているような仕草だった。お母さん、仕事じゃなかったの。そう言われているような気がした。それもそのはず。
宝瑠は日葵の身を案じて、室内着のまま飛び出してきたのだ。タンクトップとボトムスとカーディガンの三点セットで合わせた、休日スタイル丸出しの格好で。おまけに外出の予定がなかったので、ノーメイクだ。
思わず頬がカッと熱くなった。決して自分が母親なわけではないのだが、それをこの男性に言って取り繕うと、余計ややこしくなる。
男性は砂場にいる息子に話しかけ、子供と遊び始めた。



