AI生成でママにされた私は、シングルの年下クズ男子に再構築されています。

 この連休中に部屋の片付けぐらいはしようと思っていた。けれど、どうにもやる気が起こらない。普段から家事は後回しにしがちで、プライベートではあまり几帳面にはなれない。仕事の反動かもしれない。

 iPadに流れるエンドロールを見つめ、画面をタップする。すかさず次話に移ろうとしたとき、ローテーブルの上でスマホが震えた。

 電話と察して、それを手に取った。静岡に住む実家の母からだ。

 スマホの画面に“お母さん”の文字が浮かび、宝瑠はわずかに眉をしかめた。出るか出ないか躊躇した。

 宝瑠はため息ひとつを吐き出すと、画面をスワイプし、回線を繋いだ。

『もしもし?』

 気だるい、億劫そうな声が自然と出てしまう。「あ、じゅえちゃん?」と母が言った。のんきで底抜けに明るい、いつも通りの声で。

「うん、なに?」
『なにって相変わらずねぇ。元気にしてるの? ゴールデンウィークなんだし今日はお仕事も休みでしょ?』
「……うん、まぁそうだけど。用件はなに?」

 つっけんどんに言い返すと、母はあからさまなため息をついた。

『ずいぶんな物の言い方だこと。まぁ、じゅえちゃんらしいけどねぇ』

 愛想のない返事をしていると自覚はあるものの、いちいち気を遣うのが嫌だった。「用件がないなら切るけど?」と続けていた。

『あのね。お隣のノゾミちゃん、覚えてる? じゅえちゃんより二つ下の』
「うん、わかるよ」