あっけらかんと言い、先輩はまた業務内容に話題を切り替えた。
先月の十一月。
天喜と正式に籍を入れ、久々津に姓が変わった。
実家の母に結婚したと電話で報告すると、母は感極まり、涙ぐんでいた。
『良かったわねぇ、じゅえちゃん。本当に良かったっ』
母の声を聞き、温かい気持ちになった。
『それで? お式はいつにするの?』
予想通りの質問に宝瑠は苦笑いした。
「まだちゃんと決めてないけど。来年のどこかでしようかなって」
『駄目よぉ? のんびりしてちゃ。六月なんてすぐに予約が埋まるんだから』
六月と考え、ジューンブライドかと思い至る。また母の古い価値観か。
「私も天喜も仕事で忙しいし。多分秋頃になるんじゃないかな?」
母は電話口で頷き、『秋頃ね、予定しておく』と声を弾ませた。
「ねぇ、お母さん」
宝瑠は部屋にかかったカレンダーを見つめ、一月のページを捲った。
「また年が明けたら、天喜と日葵と一緒に。実家に帰ってもいい?」
思わずそう尋ねていた。自分でも驚くほどの心境の変化だった。母はうんうんと相槌を打ち、『もちろんよぉ』と喜んでくれた。
時々、小野寺と連絡を取り合い、ランチをすることもあった。
彼は宝瑠の再就職に加え、結婚をお祝いしてくれた唯一無二の同期だ。もはや同期というより、親友と呼ぶに相応しい。
先月の十一月。
天喜と正式に籍を入れ、久々津に姓が変わった。
実家の母に結婚したと電話で報告すると、母は感極まり、涙ぐんでいた。
『良かったわねぇ、じゅえちゃん。本当に良かったっ』
母の声を聞き、温かい気持ちになった。
『それで? お式はいつにするの?』
予想通りの質問に宝瑠は苦笑いした。
「まだちゃんと決めてないけど。来年のどこかでしようかなって」
『駄目よぉ? のんびりしてちゃ。六月なんてすぐに予約が埋まるんだから』
六月と考え、ジューンブライドかと思い至る。また母の古い価値観か。
「私も天喜も仕事で忙しいし。多分秋頃になるんじゃないかな?」
母は電話口で頷き、『秋頃ね、予定しておく』と声を弾ませた。
「ねぇ、お母さん」
宝瑠は部屋にかかったカレンダーを見つめ、一月のページを捲った。
「また年が明けたら、天喜と日葵と一緒に。実家に帰ってもいい?」
思わずそう尋ねていた。自分でも驚くほどの心境の変化だった。母はうんうんと相槌を打ち、『もちろんよぉ』と喜んでくれた。
時々、小野寺と連絡を取り合い、ランチをすることもあった。
彼は宝瑠の再就職に加え、結婚をお祝いしてくれた唯一無二の同期だ。もはや同期というより、親友と呼ぶに相応しい。



