「桃子」
ここ半年ごろ、とみに懐いてくるようになった後輩社員で、宝瑠より五つ年下の女子、飯田桃子だ。昔から自分は年下との関わりが多く、その関係性にも満足してきた。姉御肌というべきなのか、どうにも面倒見がいいと思われ、慕われる。なので桃子に対しても自然と心を許していた。
「今日も相変わらずキレッキレですね? ジュエル先輩」
宝瑠はブラックコーヒーをまた見つめ、小さなため息で応対する。
「名前で呼ばないでって、前に言ったよね?」
「はーい、すみませーん」
桃子はぺろっと舌を出し、おどけて肩をすくめた。全く悪びれることのないその態度が許されると、彼女自身が知っての行動だった。
パーマがかった栗色の髪をクリップでざっくりまとめた桃子が、うきうきした様子で紙コップを取った。
淡いピンク系のジャケットに、ふんわり揺れるスカート。足元も可愛らしいパンプスで、全体的に甘めのコーディネートだ。華奢な手首に揺れるチャームブレスが、いかにも桃子らしい。
誰が見ても“女の子らしさ全開”のコーディネートだが、桃子が着るとそれが不思議と許されてしまう。
宝瑠はそんな彼女をちらりと見て、「もしかしてまた合コン?」と尋ねていた。
ここ半年ごろ、とみに懐いてくるようになった後輩社員で、宝瑠より五つ年下の女子、飯田桃子だ。昔から自分は年下との関わりが多く、その関係性にも満足してきた。姉御肌というべきなのか、どうにも面倒見がいいと思われ、慕われる。なので桃子に対しても自然と心を許していた。
「今日も相変わらずキレッキレですね? ジュエル先輩」
宝瑠はブラックコーヒーをまた見つめ、小さなため息で応対する。
「名前で呼ばないでって、前に言ったよね?」
「はーい、すみませーん」
桃子はぺろっと舌を出し、おどけて肩をすくめた。全く悪びれることのないその態度が許されると、彼女自身が知っての行動だった。
パーマがかった栗色の髪をクリップでざっくりまとめた桃子が、うきうきした様子で紙コップを取った。
淡いピンク系のジャケットに、ふんわり揺れるスカート。足元も可愛らしいパンプスで、全体的に甘めのコーディネートだ。華奢な手首に揺れるチャームブレスが、いかにも桃子らしい。
誰が見ても“女の子らしさ全開”のコーディネートだが、桃子が着るとそれが不思議と許されてしまう。
宝瑠はそんな彼女をちらりと見て、「もしかしてまた合コン?」と尋ねていた。



