宝瑠は怪訝に眉をひそめながも、それを受け取った。封筒の柄から察するに、役所でもらってきた書類かなにかだ。
「予定と違ったから、まだ書いてないんだけど」
薄っぺらい紙を指でつまんで引き出した。茶色で印字された書類だ。
それがなにかを理解した瞬間、宝瑠の目が大きく見開かれた。頭の中が真っ白になる。
「なにこれ」
意思とは関係なく、そう呟いていた。
「なにって婚姻届だけど?」
天喜は平然と答えた。温度のない声で、いつも通り淡々と。
「そ」と出した声が不自然に震えた。
「それぐらい見ればわかるわよ、だれとだれが結婚するのって聞いてるの」
「……俺と宝。決まってんじゃん」
は……?
宝瑠は彼を見つめたまま、目を瞬いた。
思ってもいないところから変化球が飛んできた、そんな気分だった。天喜の言動は、いつも予想の斜め上をいく。
「これ出して。“久々津 宝瑠”になれば名前変わるだろ?」
心臓がドンッと、大きく揺れた。
さも当然。天喜は照れもなく、改名の手段として真顔で言うのだが。
宝瑠は顔中を真っ赤に染めて、口をすぼめた。目がきょろきょろと泳ぎ、挙動不審になる。
ドッドッ、と高鳴る心音が太鼓のように鳴り響いている。体の中に小人かなにかが棲んでいて、内側からどんどこ叩かれているみたいだ。
……えっ、だから婚姻届??
「予定と違ったから、まだ書いてないんだけど」
薄っぺらい紙を指でつまんで引き出した。茶色で印字された書類だ。
それがなにかを理解した瞬間、宝瑠の目が大きく見開かれた。頭の中が真っ白になる。
「なにこれ」
意思とは関係なく、そう呟いていた。
「なにって婚姻届だけど?」
天喜は平然と答えた。温度のない声で、いつも通り淡々と。
「そ」と出した声が不自然に震えた。
「それぐらい見ればわかるわよ、だれとだれが結婚するのって聞いてるの」
「……俺と宝。決まってんじゃん」
は……?
宝瑠は彼を見つめたまま、目を瞬いた。
思ってもいないところから変化球が飛んできた、そんな気分だった。天喜の言動は、いつも予想の斜め上をいく。
「これ出して。“久々津 宝瑠”になれば名前変わるだろ?」
心臓がドンッと、大きく揺れた。
さも当然。天喜は照れもなく、改名の手段として真顔で言うのだが。
宝瑠は顔中を真っ赤に染めて、口をすぼめた。目がきょろきょろと泳ぎ、挙動不審になる。
ドッドッ、と高鳴る心音が太鼓のように鳴り響いている。体の中に小人かなにかが棲んでいて、内側からどんどこ叩かれているみたいだ。
……えっ、だから婚姻届??



